食の価値創造
Value Creation
高度成長の時代、人口が増えて人々との暮らしが豊かになっていく中で、食については「いつでも、どこでも、同じもの」が安心して買えるように最適化されました。
こうした取り組みは、逆の見方をすると日本が本来持っていた食の多様性を均一的にしていくことでもあったのではないかと思います。全てが規格化され、それに当てはまらないものは「規格外」として価値が大きくさがり、大量に安く作ることが求められることで、多様性のある食文化は失われてきつつあります。
○○県産、輸入品、国産と食材を買うときに、作り手である食材提供者のことを感じることはほとんどありません。手間暇かけていいものを作っても、全て規格の中に混ぜられてしまって、価値あるものを作ることに、価値がなくなってきたようにも感じます。
時代は変わり、日本の多様性のある食文化は世界で認められるようになってきました。私たちが当たり前と思っていた食文化は実はとても価値のあるものだったのです。これからは○○県産ではなく、地域名や誰産という地域や生産者の多様性を価値にしていくことも重要ではないでしょうか。
日本の市場は縮小していきますが、世界の市場は拡大していきます。改めて日本が持つ多様性のある食文化の価値を創造して、世界に誇れるものとして輸出をしていくことで、日本の食品産業に貢献できればと考えています。